
実家から、長らく納戸に眠っていたキーボードを運びだした。
コルグのDW-8000というやつで、アナログシンセからデジタルシンセへ移行する過渡期の代物だ。
80年代半ば。
当時のオーバーハイムやローランド等のアナログシンセが、ノコギリ波やパルス波、ノイズを削って音を加工していたのに対し、
サイン波を加算して音を作っていくという、デジタルシンセDX-7がヤマハから発売された時期だ。
前者は暖かみのある分厚い音が出る反面、様々な倍音を持つ金属的な音はリングモジュレータ等の組み込みが必要だった。
後者は逆に、金属的で硬質な音を出すのに長けてはいたけど、アナログシンセの暖かみや力強さは今一つな感じだった。
当時の自分が欲しかったのは、ダントツアナログシンセで、オーバーハイムを手にするのが夢だった。
当時はメーカー独特の音というものがあって、オーバーハイムはオーバーハイムの音がしたし、ローランドはローランドの音だった。
敢えて乱暴にカテゴライズすれば、イギリスのニューウェーブ系はローランド、アメリカの骨太系はオーバーハイム、軽いポップス系はヤマハみたいな感じだろうか。
オーバーハイムの音で余りに有名なのが、ヴァン・ヘイレンのジャンプ。ブリブリ切れのよいブラスの音は、他の音源では決して真似の出来ない音なのだ。
あとはソウルやファンク系のベースライン。
気が付くと、今自分がいろいろアナログレコードで集めている曲は圧倒的にオーバーハイムの音が入っている。
昔のジャム&ルイスがプロデュースした曲や、流れを辿るとプリンス、タイム辺りなんかの曲にも使われているっぽい。
音の分厚さと、切れ味の良さは何度聴いても惚れ惚れする。
勿論、当時高校生の自分に手が届くような代物でもなく、代わりにといっては何だけど、手が届いたのが、このキーボード。(笑)
買って程無くして、フェアライト等のサンプラーが登場して、時代は完全なデジタルへと流れていくのだけど、
予めサンプリングされたデジタル音源波形をアナログ方式で加工していくという、
このキーボードの何とも時代の狭間的な仕様がまた、僕のツボを擽るのだ。
オーバーハイムほど切れ味がある訳ではないけど、ブラス系は暖かみがあるし、デジタルっぽい金属的な音も出せる。
指先の怪我以来、ずっとお蔵入りしていたシンセだけど、電源を投入したら、問題なく音がでて、久しぶりに心地よい。
古傷が多少疼いたり、傷跡の部分だけ鍵盤をタッチする感覚が薄かったりで、ちょい苛つくけど、
少し練習を再開しようかと思う今日この頃なのだ。
posted by drag_on at 08:55| 東京

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